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法定利率について

 改正民法で大きく変わったものとして、法定利率があります。預金や貸し付けの例を考えると分かりますが、金銭というのは持っていれば資産運用によって一定程度増やすことができる、という考え方があります。要するに、金利も考慮するということです。 たとえば、債務不履行や不法行為によって損害を被った場合には、本来権利が発生した時点で全額を賠償してもらえているはずですが、訴訟などを行うと1年近く後になってから支払われることもあります。その場合に権利者が得られるはずだった「金利」を定めるのが法定利率です。  従来、法定利率は一律年5%と定められていました。しかし、昨今の経済事情からすると高額に過ぎるのではという批判がされてきたところでした。  そこで、改正民法では市中金利の水準に合わせて法定金利を緩やかに変動させることができる仕組みになりました。  なお、当面の間は、大きな混乱を避けるため、法定利率は3%として運用されます。